バス通りはやがて国道259号線と合流します。
福江から2、3kmは歩いたでしょうか。石神という停留所からそろそろバスに乗ります。
バス停の近くにクルマが通るのもキツい狭さのガードを見つけました。
上側には、なんだか鉄道でも通っていたかのような佇まい。
…そういえば、渥美線には半島の先、伊良湖までの延長計画があったと聞いたことがあるような…
帰ってからネットや図書館で調べてみると、正にそうでした。
戦前、伊良湖には旧陸軍の施設があり、そこまで線路を敷く計画でしたが、
福江までの路盤を作ったところで資材不足等の理由で断念、放棄されたとのこと。
よくそんな昔のモノが残っているなあ…
何にせよ5月とはいえ、日差しがとても強く、その中を延々歩いてきた私には、
この「未成線」の木陰はひんやりして、とてもありがたいものでした。

ほどなくしてやってきたバスに乗って、
田原の町へ。
予定はしていなかったのですが、まだ陽が高いので少し歩いてみることにします。
まあ、下調べのつもりで、テキトーに。
田原町史によると、大正末期から昭和初期の
田原は人口1万5千に満たない町だったのですが、
芸妓が百数十人、芸妓置屋や旅館・料理屋はゆうに六十数軒を数える一大「紅灯街」が形成されていたそうです
(その軒数は、当時の
田原町の総戸数2200余に対し、約3%に達する)。

駅の西あたりの菓子店。
大通りは道幅が広げられたような感じで、家や建物も新しいものが多いのですが、
一本路地に迷い込むとこうした風景が多く見られます。

こちらは駅前の旅館。
田原の地図は持っていないので、駅の位置を見失わないように歩きます。

駅前にあった商工案内図。
この街にも赤線があったようなのですが、果たしてどこにあったのか…

駅から少し北、料理店や居酒屋が点在するあたりにあるお宅。
和風ながら、ちょっとカフエー調にも見えるんですが…どうなんでしょう。
んー、帰ってからも調べているのですが、未だわかりません。

次回も、もう少し
田原の街を歩きます。

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[愛知県田原市石神町・田原町 木陰の未成線跡]の続きを読む
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- 2008/04/17(木) 02:25:54|
- 愛知県田原市
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商店街は、もう少し続きます。
こちらも屋号が外され、もう営業していない店。
コーナーで曲線を描くモルタルに、とても惹かれました。

同じお店を反対側から。ココはショーケースだったのでしょうか。
所々剥がれかかったパステルグリーンの縁取りが、何とも効いています。

商店街は免々田川に架かる橋のたもとでおしまいでした。
そろそろ引き返すことにしましょう。

バスに乗る前に、もう一度あのタイルの建物を見ることに。
庇の電灯に作られたツバメの巣には、カワイイ雛鳥が数羽いて、
親鳥が何度もエサを運んでいました。
その度に「ピーピー」と騒ぎ立てます。

バス通りにでる手前、和菓子舗の看板がかかる家の前で見かけた、
なんともオープンなトイレ。
さすがに現在は使っていないらしく、ゴミが入れられていました。

バス停に着いたものの、時刻表を見るとついさっきバスが行ったばかり…
次のバスまで1時間近くあるので、バスの通り沿いに歩いてみることにしました。

通り沿いには商店街はありませんが、人家がある程度固まっていたり、
その中に商店がぽつりぽつりあったりという感じです。
しかし、「ステンレス」「マンガ」とは、全く結びつかないような…

次回は、三河
田原へと向かいます。

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- 2008/04/14(月) 23:10:12|
- 愛知県田原市
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入江川に架かる小さな橋を渡って、商店街を先に進んでみましょう。

渥美町史の「昭和39年頃の原の島周辺」図によると、
この先には、パチンコ店、薬局、米店、家具店、床屋、時計店、ハンコ店、電気店…と
ありとあらゆる店舗が揃っていたようなのですが…

…現在、営業しているのはごくわずか。
シャッター街というより、フツーの家として使われ続ける「しもた屋」が軒を連ねる町並みとなっています。

こちらは建具か内装店だったのでしょうか。
屋号が書かれていたであろうテントは破れまくっています。そして、ガーデニング。

この商店街の中でひときわ存在感を醸し出していた朝日の看板建築の家。
こちらは何の店だったのでしょう…

次回も商店街をもう少し、そして…

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- 2008/04/12(土) 23:16:51|
- 愛知県田原市
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餅屋食堂の路地の先には「角上楼」さんという旅館があります。
東海地方のタウン誌にも掲載されたこともある昭和初年創業の老舗旅館。
「遊廓」をイメージした部屋もあるそうで、気になりますね。

路地を抜けると、入江川沿いの道に突き当たります。
メインの商店街は、突き当たりの左右に延びています。

回転式の窓がある商店跡。
現在は倉庫のような使い方をされているようですね。

商店跡脇の細い路地を入っていくと、角上楼さんに通じています。
いきなり1枚目写真の横、勝手口のようなところに
にぽっと出る感じなので、「ここは入ってイイの?」とびっくりします。

回転窓の商店跡の先にある廃屋。
このお宅も軒下に電灯のソケットが残っています。
前回までの場所からは、ちょっと離れているんですが、これもそうなのかな…

この家は随分放置されているのか、裏に回ると天井が抜け崩れそうな様相を呈していました。

この通りを真っすぐ行くと、間もなく国道に出ます。
その間にも商店が数軒。

次回は商店街に戻ります。

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- 2008/04/10(木) 19:43:13|
- 愛知県田原市
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同じ家の側面です。
タイルの建物に板張りの2階建てがつながっています。
この坂道を登っていくと、バス通り。
旧役場(その後移転している)や法務局出張所も近く、
この付近が街の中心だったのが伺えます。

坂道を少し登ったところ。
もう商売をやめてしまわれた家が並んでいます。
渥美町史に図示された「昭和30~40年頃の町並み」では、
ブリキ屋さん、洋品店さん、カラカミ屋さん、写真屋さんが並んでいたあたり。

戻って、タイルの建物の向かい。
こちらも昔の雰囲気を残したままの佇まいです。
軒下の電灯もしっかりあって、
タイルの家同様、「遠くまで来てよかった」という気になりました。
路地を少し入ったところから。
手前の「餅屋」さんは現在も盛業中の食堂。
隣がタイルの家です。
正面の木戸が閉まっているお宅は、玩具屋さんだった家。

タイルの家の前から。
往時の賑わいを想像しながら1枚。
路地を反対に歩いたところには「井筒萬」さんという大きな料理旅館がありました。
こちらは同じく町史の「明治末期の町並み」に既に載っている老舗。
付近に立つ電柱を見上げると「井筒萬支線」と書かれており、
付近でも重要な建物だったように思われます。

次回も
福江の街を歩きます。

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- 2008/04/08(火) 06:29:33|
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今回からは、
渥美半島の
田原を歩きます。
まず訪れたのは、
福江の街。
平成の大合併により、豊橋から先、
渥美半島は全て「
田原市」となってしまいました。
この
福江界隈は合併前は
渥美町。地元民でないからか、まだ「
田原市」と言われても違和感があります。
しかし、電車で来ると遠いですね。名古屋からJRで豊橋、豊橋からは
渥美線で三河
田原と電車を乗り継ぎ、さらにバス…熱海より遠く感じました。
福江は古くから海上交通の要衝で、
渥美町の中心だった街。
町役場もこの
福江にありました。
国道259号線から少し逸れたこの通りが商店が集中しているのですが…

この
福江の商店街も、残念ながら例に漏れず廃れた印象。
シャッターがしまった店、荒れた建物が目立ちます。
2軒目もお医者さんだったようですが、入口の前にガーデニングのプランターが置かれ、
廃業されたようでした。

この街を訪れたのは、小さいながらもかつての赤線の跡があると聞いたから。
事前に図書館で読んだ「
渥美町史」にも、
この先の
福江橋付近に料理旅館や置屋があったとの記述があります。

しかし人の姿が見られませんね。
時々クルマが通り過ぎていくだけです…

福江橋付近、ハキモノ屋さんの跡。
奥に見えるガードレールの向こうは橋の架かる入江川です。

遊里の跡は福江橋から少し東へ戻ったところ。
「福江」の街は結構な広さなので、歩き回ることを覚悟していましたが、
思ったより簡単に見つけられました。
次回はその界隈を歩きます。

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- 2008/04/04(金) 22:14:44|
- 愛知県田原市
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