大分登ったところに学校を見つけました。
近寄ってみると、石造りの門からは校名が外されており、跡であることがわかりました。

校舎もしっかり残されていました。
モダンなデザインの木造校舎。入口の石段に腰掛けて、ひと休み。
しかし人気がありませんね。
これだけしっかり残されているということは、何らかの活用されていると思うのですが…

「あげき」のアーチまで到着。
この商店街、現在は「しもた屋」となってしまったお店も多いですが、近年まで栄えていたことを伺わせますね。
ひとつの「都会」が形作られていたのではないでしょうか。
そんなことを考えながら、駅までの坂を下りました。

電車に乗る前に、駅前の「阿下喜温泉 あじさいの里」に立ち寄ります。
実は西桑名の駅で買ったキップは、この温泉施設の入浴券が付いたもの。
桑名~阿下喜往復の料金960円に、たった40円足した1000円でここのお湯にも浸かることができます。
とってもおトクですよ、奥さん!
お風呂は、銭湯のようなデンキとかジェットとかはありませんが、とても大きな湯船で身体を伸ばしてゆっくりできます。
小さいながら露天風呂もあって、裏の藤原岳に登った帰りというおじさんと話が弾みました。

ぽかぽかになったところで、阿下喜駅へ。
ホームの横には、小さな線路とターンテーブルが。
帰ってから調べてみると、このターンテーブルはこの駅の構内の別の場所にあったもので、
隣の製材工場へ貨車を引き入れるのに使われていたもののようです。
かなり昔に使われなくなり、土に埋もれていたのを発掘、復元したものとのこと。
周囲に弧を描く線路では、定期的にミニ電車が運転され、賑わいを見せるそうです。

そろそろ発車時間。
ぽつり、ぽつりと乗客が集まってきました。
そろそろ時間だな?と思ったら、ベルも鳴らずドアが閉まって阿下喜の駅を後にしました。

駅に止まるごとに少しずつ乗客は増えていきますが、座れないほどでもない感じ。
本を読む人、メールを打つ人…行きと違って、静かな空気が車内に流れているようでした。

行きのように途中で乗り換えがなかったためか、存外に早く終点の西桑名駅へ到着。
ちいさな電車の旅もおしまいです。

PHOTO:Ricoh GR-DIGITAL+GW-1 2007/01/28
[三重県いなべ市北勢町阿下喜 ふたたびちいさな電車に乗って]の続きを読む
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- 2007/11/10(土) 22:56:07|
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本町通りの西側をジグザグに歩きながら、「あげき」のアーチまで登っていきます。
「止まれ」の標識の交差点が、本町通り。

松の枝振りが見事で、ちょっと通りの東側へ寄り道します。

奥まったところで見つけた、民家の軒先に増築されたような紳士服店。

再び、本町通りの西側を登っていきます。スナックの奥にあった家。
阿下喜にも小さな「赤線」があったと聞いたことがあるのですが、これがそうなのでしょうか?

サビサビ倉庫と仏壇店。
サビサビを見ると、どうしてもカメラを向けたくなってしまいます。

理髪店のガラスからは、劇画タッチのお兄さんが凄みをきかせていました。
「個性美」って言われても、この髪型はイヤだなあ…
あ、それ以前に私は髪が薄くなってきているので、この髪型は不可能か…

外れのほうで見つけた、小さな鉄工所。模型のようなかわいらしさでした。
全体が同じように錆びてきていて、とても素敵な雰囲気。

次回は「北勢線で
阿下喜」の最終回です。
PHOTO:Ricoh
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- 2007/11/08(木) 20:56:48|
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商店街の入口付近まで下ってきました。
今度は本町通りを挟んで、西側を歩いてみます。こちら側は「西町通り」と呼ばれているようです。
本町通りからすぐのカメラ店兼レコード店。しかし貼られているポスターは見事に演歌ばかりですね。
屋号とは対称的に、お客さんは年配の方が多いのでしょうね。

こちらは曲面が見事な「紙店」。
文房具や事務用品を取り扱っているお店です。

この界隈は商売をやめてしまった「しもた屋」が多く見られます。
こちらも玄関上の外灯に名前が残るのみです。

上階の張り出しが面白いお宅。
こちらも1階はショールームだったのでしょうか。

こちらは現役のクリーニング店。
木枠の窓とタイルが素敵で1枚。

「ラジオ店」の看板が掛かるお店。倉庫としてまだまだ現役。
描かれた冷蔵庫もまたレトロです。

次回はこの西町通りをジグザグに登っていきます。

PHOTO:Ricoh GR-DIGITAL+GW-1 2007/01/28
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- 2007/11/07(水) 01:00:46|
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商店街の長さは500mくらいだったでしょうか。
このアーチのある交差点でおしまいです。
ここからは下りながら気になった路地に入ってみることにします。

まずは本町通りからY字に分岐する路地へ。
三角形の敷地には、古い木造の「かしわ店」の跡がありました。

かしわ店の壁面には、多くの看板が掛かります。
地元桑名界隈のものが多いですが、県境を越えた愛知県津島市の高校のものもありますね。

少し下ったところの廃屋のガラス。
へのへのもへじを久々に見ました。
この写真を撮った直後、集団下校の小学生たちに遭遇。
みんなが口々に「こんにちは!」とあいさつしてくれました。なんかくすぐったかったなあ。

この道は「本町通り」に並行して進んでいきます。
メインストリートとは異なり、民家がほとんど。こうした板張りの家が多いです。

この家は何か商売を営んでおられたのでしょうか。
デザインされたドアと裾のタイルが素敵でした。窓が二重になっているのは何故でしょう?

こちらは個人の医院の建物。
次回は通りを挟んで反対側へ。

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- 2007/11/06(火) 01:00:54|
- 三重県いなべ市
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桑名から1時間弱で、終点阿下喜(あげき)駅に到着。
最後まで乗っていた客は、私を入れても10人に満たないほどでした。
駅は最近改築されたのでしょう、まだ建材の匂いが残るくらい、ぴっかぴか。

阿下喜の街は、駅前を右に折れた方向。
坂をしばらく登っていくと、商店街が現れます。
このメインストリートは、「本町通り」と呼ばれているようです。

最初に目に留まったのが、この和菓子店。
錆びた屋号が年月を感じさせます。
読み方は「せっかく」なのか、「おれかど」なのか?

コカ・コーラとペプシ・コーラが仲良く並んだ食料品店跡。
ペプシは、最近このロゴを使った缶が出回っていますね。
こうして見ると、どちらもいいデザインですね。

地元のものでしょうか、初めて目にするブランドのパン。
このフォントもまたいいですね。

坂の途中にあるウダツの上がったお宅。
戦時中、阿下喜は名古屋に向かう米軍の爆撃機B29の飛行コースになっていたため、この家の屋根にはそれを確認する防空監視哨があったそうです。

次回は、一本裏の道へと。

PHOTO:Ricoh GR-DIGITAL+GW-1 2007/01/28
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- 2007/11/05(月) 01:00:28|
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今回からは三重県の桑名から三岐鉄道北勢線に乗って、いなべ市阿下喜(あげき)の町へ向かいます。

北勢線はJR、近鉄の桑名駅すぐ前、バスターミナルの端にある西桑名駅からの出発。
次の電車まで15分ほどあったので、線路沿いにほんの少し歩いてみました。
北勢線は日本では数少ない線路幅762mmのナローゲージの路線(JRなどは1067mm、近鉄の多くは1435mm)。
踏切に立って線路を跨いでみるとその狭さがわかります。

駅に戻って電車に乗り込みます。
線路幅そのままに車内もミニサイズ。足を組んだ人が向かい合うと、当たってしまいそうです。
3両編成の電車は、ぐおーんというモーターの音と共に加速。
右に大きくカーブしたと思ったら、JRと近鉄の線路を一気に乗り越えていきます。

車窓はすぐにのどかな風景に。
小さな駅で数人ずつ乗り降りを繰り返しながら、のんびりと進んでいきます。
ちょうど中間くらいでしょうか、東員という駅で「車両を交換します」という放送が。
一旦ホームに降りると、ここまで乗ってきた電車は留置線に引き込まれ、新しい電車が入ってきました。

こちらが新しい電車。塗装が違うくらいで、中は同じような感じ。
ここまで来ると桑名からのお客さんは多くが降りてしまい、車内はまばらになってしまいました。

私が座ったのは先頭車両の端っこ。見上げるとこんな落書きが。
この電車で通う学生の書いたものでしょうか。

阿下喜に近づくにつれ、どんどん山の中へ。電車もちょっと苦しそうに登っていきます。
ふたりで騒いでいた女子高生も疲れたのか、寝てしまいました。

左手に大きな山(藤原岳)が見えてきたら、終点阿下喜も近い。
…ふと気づくと右側で眠っていた女子高生が、いつの間にかこちらにお尻を向けている…パンツ見えるって!!(撮影自粛)

次回は阿下喜に到着。街を歩きます。
PHOTO:Ricoh GR-DIGITAL+GW-1 2007/01/28
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- 2007/11/04(日) 01:00:20|
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